「大学入学前から就活を考える」
今年の2月に高校卒業を控えた高校3年生が訪ねてきてくれました。彼らは、この後日本へ帰国して大学に進学する、中学3年の時に私が担任をした生徒たちでした。彼らの抱負を聞くのを楽しみにしていた私に対して、最初に彼らが聞いてきたのは、「先生はインターンシップに参加しましたか。」という質問でした。大学入学前から、就職活動について考えるのかと感心しながらも、日本の大学生が経験する就活への不安の大きさを改めて実感しました。
「〇活とべき思考」
日本のニュースなどでよくでてくる〇活について、Newspickで就活サイトワンキャリアの執行役員の北野唯我氏と、産業医の大室正志氏が対談されていた内容が非常に印象的だったので要約してご紹介します。
〇活の裏側にあるのは、「何かをするには何かをすべきである」という「べき思考」であり、得るもののために、全員がこぞって何か活動しなくてはいけないという押し付けがある。「これは、こうあるべき」、「これは、こうすべき」の「べき」が強いと、そこに合わない時は、辛くなってしまう。多様な価値観が生まれてきた現在では、「〇活」を前に途方に暮れている人を生み出してしまっている。
「子どもたちは違っていい」
もちろん、〇活やべき思考に沿って生きたほうが楽なこともあります。しかし、大人だってそのように周りと一緒のことをしてゆく人生に、窮屈さを感じたことはありませんか。子どもたちにとっても同じです。子どもの頃から「こうするべき」と色々な影響を受けながらも、それに捕らわれるだけではなく、自分らしい人生を見つけていくことが、伸び伸びと人生を生きることなのではないでしょうか。そのためには、子どもの頃からの自己肯定感がなによりも大切です。大人は心配しながらも、子どもが自己肯定感を育てることをサポートしていく必要があります。自分が好きで、他の人と違うことにこそ価値があるということを、子どもたちに伝えていきましょう。
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