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保護者も教員も、「二月の勝者」を読んだ方がよい3つの理由

「二月の勝者」という漫画をご存知でしょうか。




「二月の勝者 ー絶対合格の教室ー」は、桜花ゼミナールという中堅塾を舞台にして、「受験塾は子どもの将来を売る場所だ」と言い切る教室長と、その方針を理解しながらも葛藤する新人講師のお話です。


この作品、中学受験を考える保護者の方だけではく、すべての保護者の方、そして学校の先生にも読んでみることをおすすめします。※塾業界に関わる人はすでに知っていることでしょうが。

その理由は3つです。


①中学受験のリアルを知ることができる


漫画の中で出てくる塾や模試などは、実在するものをベースに少し名前がいじられています。フェニックスはカッコいいですが、渋谷大崎は面白かった。

そんな中で、

「中学受験をする層は、日本全体の同級生とどのように違うのか」「中学偏差値と高校偏差値の違い」 「中学受験は、第1志望に受からない率が7割」「私立中学に行かせる意味」などと、中学受験の現実が出てきます。これについては、日本で実際に起こっていることですから、どの地域にお住いの人も知っておいてよいかと思います。


後は、中学受験・塾産業のリアルも知ることができます。


物語は、「君達が合格できたのは、父親の『経済力』。そして、母親の『狂気』」と合格をした6年生に講師が伝えるところから始まります。

そして、中学受験を最近のソーシャルゲームに例えて、「受験とは課金ゲーム」であると言われるわけです。また、「塾講師は教育者ではなく、サービス業である。」「お金をかけたものが圧倒的有理。こんなシステムで成り立っている職業のどこが教育者か」と塾産業の本音が描かれます。


まぁ、これが産業としてのリアルですから、知っておいて損はないと思います。それをどう感じるかは個人次第。そして、それをどう利用するかも個人次第ですよね。




②親の心の持ち方を知ることができる


作品の中では、色々な家庭の様子が描かれます。その中には自分の子育てのヒントになることもあるでしょう。


例えば、学校選びについては、この作品の中では、こんなセリフがあります。

「意外とピンときてない保護者が多いんですよ。学校に通うのは自分じゃなく子どもだということを。親がいくら気に入ったって、実際に6年も通うのは本人です。もし学校で嫌なことがあったりしても、自分が選んだ学校だと思えば踏ん張れるでしょう。」

また学習にたいして取り組ませることについても、

「『勉強しなさい』『○○しなきゃダメでしょ』『どうして○○しないの』等の言葉がけは、ご自身(保護者)の不安をお子さんにぶつけているだけ。いつまでも口を出していたら、やらされているという気分から抜けられない。この受験は親のものではない自分自身のものなのだと自覚させないと。」

また、難関校に受かる子についても、

「たまたますごく地頭のいい子がうちの(塾の)門をたたいたというだけ。ある程度の難関校にはそりゃ根性で押し込むことはできても、トップオブトップ「御三家」クラスは普通の子には到底届かない。オリンピック選手育てたみたいなすごい指導ノウハウ持ってる陸上コーチがどんな子でも必ず運動会のリレー選手にしてあげられると思う?」

まぁ、保護者の方と話していると色々と感じることがあるんです。保護者の方も親になるのは初めてで、子育ては子どもによっても違う、常に一発勝負だから、色々な意見は聞いておいてよいですよね。その参考にはなるかと思います。


私の子どもたちへの思いはこちらに書かせてもらっています。



③他の進路もあるなと改めて感じられる。


ここまでお伝えしてきましたが、これはあくまで中学受験の話です。作品中にも「最終学歴としての大学への特急券が中学受験である。」とあります。つまり、学歴を求めて、大学に行くことを目指すという軸にそって考える人の話です。


別にその軸に沿う必要はありません。


好きなことをひたすら極めていくこと、日本を飛び出して海外にいくこと、通信制などで大学や高校という枠に縛られずに学んでいくこと。この色々な軸が認められ始めているのが、現在の日本社会だと思います。


目の前のお子さんにとって、自分で自分の人生を歩むことになる選択は何かを考えられるのがよいでしょう。


みんなが同じ軸で生きるわけではありませんから。


みんなと同じことばかりをやっていることが、逆にリスクになることもあります。




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