「自分のやりたいことが分からない」と
思っている君へ
この文章は、「自分のやりたいことが分からない」、「自分に自信がない」、「私には人と比べてよいところがない」、「なぜ学校に行き、なぜ勉強をするのか分からない」などと感じている中学生・高校生に向けて書いたものです。
少しでも感じたことがあるならば、読んでみてください。
最初に、具体例として、苦手科目がある人、勉強が苦手な人について考えてみましょう。
小学1年生、学校に通いだしたころは、勉強への苦手意識なんてなかったはずです。
毎日、学校で知らないことを学んでいくのが純粋に楽しかったことでしょう。
知らないんだから、間違うことも怖くありません。間違えながら学んでいきます。
しかし、学校では、点数で評価され、他人と比べられてしまいます。
比べられて、人から評価されるようになります。
例えば、テストで一度、悪い点数をとったとします。
その人は、今度は頑張ろうと決意をして、次回に臨みます。
そして、その結果、前回よりも少しいい点をとります。
自分としては、よく頑張った成果です。きっと、満足することでしょう。
しかし、大人からは、「満点まで頑張ろうとか」、「他人はもっとすごいよ」と評価されてしまうのです。
そうすると、最悪です。せっかくの頑張りが報われない体験となります。
そうやって、自分で考えてやってみたけれど、周りから認めてもらえない経験を繰り返すと、頑張っても無駄と思ってしまいます。
頑張っても無駄。これが苦手科目ができたり、勉強が嫌いになったりする原因です。
最初は、純粋に学ぶことが楽しかったはずなのに。
ここからは、さらに最悪の循環が始まります。
勉強が苦手だと思ってしまうと、自分に自信がなくなります。
自信がなくなると、自分で行動しなくなります。
自信がないと、失敗するような挑戦をするのを怖がり、今のままでよいと考えるからです。
自分で行動しなくなった子どもたちには、周りの大人が目標を与え始めます。
「テストで何点とったら○○してあげる。」「あの学校に入ったらいい会社に入れるよ。」
そして、子どもたちは、大人から目標を与えられ、大人からの評価を気にして行動し始めます。
やっぱり、大人から褒められたいですもんね。
そうやって、大人から与えられた目標を達成できたら、褒められるのがうれしくて、さらに次の目標を与えてもらって、褒めてもらおうと思うようになります。
それを繰り返すと、人からの目標がなければ何もできなくなります。
自分のやりたいことを見失い、自分で行動せず、他者の指示を待つようになります。
その状態では、もしも他人からの目標を達成できなかったら、失敗したと感じて、さらに自信をなくしてしまいます。
その結果、より自分から、何か行動することがなくなっていきます。
子どもたちが行動しなくなると、さらに大人は目標を与えて行動させようと促します。
人から与えられる目標により、なおさら自分で行動をしなくなるという悪循環におちいってしまうのです。
本来、人間はみんな、自分に自信をもって生まれてきました。
私たちが話したり、歩いたりできるようになったのは、自分に自信があって、たくさん挑戦したからです。
子どものころは、自信があるから、「夢=自分の意思でやってみたいこと」をたくさんもっていました。
しかし、成長すると、自分がやってみたいことを、「勉強に関係ないから」「大人になってから」と否定される体験をします。
さらに、失敗すると恥ずかしいから、失敗しないために挑戦しないほうがよいと考え始めます。
また、自信がなくなった人たちは、自分と他人を比べ始めます。
そして、他人と比べて少しでも優れているということで、安心をしてしまいます。
自分と他人と比べたがる人たちは、自分が安心できる同じような人で集団をつくり、集団の外にいる人を攻撃しはじめます。
自信をもって自分で何かをやろうとする人に、「どうせ無理」という攻撃を浴びせてしまうのです。
「どうせ無理」は大人からも、同級生からも、悪意のありなしに関わらず浴びせられます。
そして、子どもたちは、自分のやりたいことをやらず、他の人と一緒のことをするようになるのです。
そのまま大人になると、自分のやりたいことをしないで一生過ごすことになってしまいます。
「夢=自分の意思でやってみたいこと」を失ってしまった状態です。
ここまで読んできて、不安になった人もいるでしょう。
しかし、今からでも遅くありません
君たちは、生まれつき自分がやりたいことを、自分で決めてやることができる力をもっています。
実は、大人からほめられるとか、良く評価されるとか気にする必要はありません。
他人からほめられなくても、自分のやりたいことをやってしまって良いのです。
夢=仕事ではありません。
だから、「そのやりたいことでお金を稼いて、生きていけるの?」と聞かれても気にしないことにしましょう。
夢とは、大好きなことや、自分がやってみたいことです。
だから、夢はたくさん持ちましょう。
そして、仕事とは、人の役に立つことです。
君がこれから考えるたくさんの夢のなかに、一つは人の役に立つことがあると思いませんか。
それで人の役に立ちながら、自分の大好きなことをやっていけばよいでしょう。
今日から少しずつ、自分のやってみたいことを、実際にやっていきましょう。
勉強だって、ただ目の前に与えられた勉強だけをするのはやめましょう。
「なぜ、この勉強をするのか?」「この学びをどのように繋げていきたいのか?」
このことを時々立ち止まって考えましょう。
もちろん、勉強だけが人生のすべてではありません。
世の中にはたくさんのことがあります。
だから、目の前の勉強や部活に一生懸命になっているときも、時々立ち止まって、世の中を見ましょう。
本を読め、人に会え、旅に出よ
ニュースや本を読み、面白そうな人には会いに行き、行ったことのない場所へ旅をしましょう。
こうやって、自分で行動していくと、自分のやってみたいことは必ず見つかります。
そして、その中で人の役にたつ仕事となることも見つかります。
そして、そうやって、一つでも自分で決めて行動をした君は、今までの君よりも確実に成長をしています。
君たちが自分で行動することを一つ、また一つと増やして、自分に自信をつけていきましょう。
どんどん行動して、
どんどん自信をつけて、
やってみたいことをやる人生を
歩みましょう
人と違うこと=ユニークであること
あなただけの価値を磨きましょう
もし、君の周りが「他人と違う行動なんてやめておけ」という人ばかりだったら、いつでも話に来てください。
君の挑戦を応援し、失敗したときにどうすればいいのか、一緒に考える力になります。
学習サロンSELF
有岡 瑛志
※このテキストを書くにあたり「どうせ無理と思っている君へ」 植松努著 PHP研究所を参考にさせていただいております。